妊娠中の食生活

栄養素の働きと素材

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妊娠中には、積極的に摂取したい栄養素があります。
しかし名前は知っていても、実際にどんな働きをするのか、
例えばどんな食材がそれに当てはまるか、わかりますか?
簡単ではありますが、栄養素の働きと代表的な素材をまとめてみました。

 
@炭水化物(糖質)


体を動かすための、重要なエネルギー源です。
炭水化物(糖質)は、摂り過ぎると体脂肪として貯蔵され、肥満の原因になりますが、
まったく食べないのはいけません。
脳がエネルギー不足になると、機能障害を起こしてしまうことがありますし、
不足分を補うために、体内のたんぱく質を分解してブドウ糖を合成するので、
病気に対する抵抗力が弱まり、疲れやすくなったりします。
糖質は、ビタミンB1と一緒に摂ることによって、効率よくエネルギーにすることができます。


ごはん、うどん、パスタなどに多く含まれています。


Aたんぱく質


筋肉、血液、臓器、髪、皮膚といった人間の体の構成材料となっています。
各種の酵素、ホルモン、免疫抗体などあらゆる生命維持機能物質がたんぱく質から
できており、食べ物に含まれているたんぱく質は、胃や小腸でアミノ酸に分解され、
吸収された後、核酸DNAに基づいて再構成され、余分なアミノ酸は体外に排出します。
たんぱく質は、脂肪、炭水化物とともに三大栄養素と言われ、必要不可欠な栄養素です。


牛肉、豚肉、鶏肉、豆腐、卵、かつお、さんま、鮭、山芋、大豆、アスパラガスなどに
多く含まれています。


Bカルシウム


各種ホルモンの分泌や作用、筋肉の収縮、血液の凝固、情報の伝達など、
体のあらゆる細胞の機能を調節しており、生命維持に欠かせない栄養素です。
カルシウムの99%は骨にあり、血液中のカルシウムが不足しそうな場合は、
すぐにカルシウムを取り出せる仕組みになっています。
摂取するカルシウムが不足すると、血液中のカルシウム濃度をたもつために、
骨からカルシウムが溶け出し血液中に入りますが、この状態が長く続くと、
骨粗しょう症になってしまいます。


牛乳、チーズ、ヨーグルト、わかさぎ、いわし、ししゃも、煮干、小松菜、切り干し大根、ごま
などに多く含まれています。


CビタミンA


人間の体を構成する細胞、特に粘膜と深い関わりを持っています。
皮膚の新陳代謝を促し肌荒れや老化防止をしたり、細菌などに対する抵抗力を増して、
病気にかかりにくくもします。目の機能を保って視覚作用に重要な働きをしたり、
骨の発育にも深く関係しています。ビタミンAには、レチノールとカロテンの2種類があり、
レチノールは、レバーやうなぎなど動物性のものに含まれ、
カロテンは、主に緑黄色野菜などの植物性食品に含まれています。


にんじん、モロヘイヤ、うなぎの蒲焼、ニラ、あなご、鶏レバー、ほたるいかなどに
多く含まれています。


DビタミンB1


神経、心臓、筋肉の働きや精神状態を大きく左右するビタミンです。
ビタミンB1は水溶性ビタミンのひとつで、水に溶けやすく、熱に弱い性質をもち、
体内に貯蓄できないため、毎日欠かさず補充しなければならないビタミンです。
糖の代謝を促進してエネルギーを産生し、神経・筋肉などへエネルギーを供給するので、
これが不足すると、脚気、記憶力の低下、注意散漫などがみられることがあります。
また、全身のエネルギー不足に加え疲労物質が体内に蓄積されることにより、
疲労倦怠感、肩こり、腰痛、食欲不振などを引きおこします。


パン酵母、ビール酵母、豚肉、海苔、ゴマ、うなぎの蒲焼、さつまいも、大豆、まいたけ、
小麦、玄米、すっぽん、ナッツ類、パセリなどに多く含まれています。


EビタミンB2


体内のタンパク質及び脂質代謝に深く関係し、血液の形成にも必要とされます。
皮膚、爪、髪の毛、目、舌、唇をはじめ、体の正常状態を保つには欠かせない存在で、
ビタミンAと同様、呼吸、消化、循環系の粘膜の健康を保ち、眼、皮膚の働きを正常にし、
体の健全な発育を促進します。体内に貯蓄できず、毎日補充する必要があります。
ビタミンB2は光に弱いので、緑黄色野菜を保存するときは必ず暗い所に保存しましょう。
また、ビタミンB2は水に溶ける性質があり、、細かく切ってから水で洗うと減ってしまい、
また、長く煮ると煮汁に溶け出てしまうので、煮汁も食べるとよいでしょう。


牛レバー、納豆、ほうれん草、サバ、ブリ、パセリ、味噌、卵白、海苔、アーモンド、
まいたけ、しいたけ、小麦、牛乳などに多く含まれています。


FビタミンC


メラニン色素が皮膚に沈着するのを防いだり、抗酸化作用による成人病の予防、
抗ストレス作用、免疫力を高めたり、鉄の吸収を助け、貧血を予防する働きもあります。
ビタミンCが不足すると、歯ぐきから出血しやすくなったり、切り傷の回復が悪くなる、
皮膚のハリがなくなる、骨や歯が弱くなるなどの症状が出やすくなります。
また、病原菌に対する免疫力が落ち、風邪などをひきやすくなります。
水溶性ビタミンであるビタミンCは体内に貯蓄されないので、常に補充が必要です。
空腹の時より食後に摂取した方が体に吸収されやすいです。


なばな、アセロラ、パセリ、せん茶、のり、すだち、めキャベツ、ゆず、ブロッコリー、
赤ピーマン、黄ピーマン、かぶ葉、いちご、グレープフルーツ、玉露、緑茶、ほうれん草
などに多く含まれています。


GビタミンD


カルシウムやリンの吸収を促し、骨格や歯の強化、乳幼児の発育の促進、
ビタミンAの吸収の促進などの働きをします。
紫外線を浴びることにより皮膚内で合成されます。
育ち盛りの子供や、胎児の発育のために妊婦さんには欠かせないビタミンです。
妊娠・授乳期には特に不足しやすくなるため、補給を心掛けましょう。
ビタミンDが不足すると、全身倦怠感、貧血、骨粗しょう症、骨軟化症、不眠など、
子供には骨がやわらかくなるクル病起こりやすくなります。
ビタミンDは取り過ぎると、血中カルシウムの量が増え、血液や腎臓の障害が起こり、
吐気、下痢、頻尿、嘔吐、喉が乾きやすい、などの中毒症状が出ます。


きくらげ、ほんしめじ、卵、あんこう、いかなご、塩辛、鮭、にしん、いわし、さんま、まぐろ、
しらす干し、干し椎茸などに多く含まれています。


H葉酸


葉酸はビタミンB12と協力して、血中の赤血球の生成に深く関わる水溶性ビタミンです。
DNAの生成と修復を促進し、胎児の正常発育、先天性疾患の予防をしたり、
神経細胞の生成に関与、舌炎の予防と治療、貧血の予防として働きます。
胃の粘膜の働きを正常にしたり、ビタミンAの吸収を促すなどの作用もあります。
最近の研究では、妊娠初期に葉酸を適切に摂取することで、胎児の神経管欠損と
呼ばれる先天性異常のリスクの軽減が期待できることがわかりました。
葉酸は光や熱に弱いので、食物を加熱すると、80%以上の葉酸はなくなってしまいます。


レバー、緑茶、パセリ、イースト、ビール酵母、うに、わかめ、昆布、のり、大豆、枝豆、
そら豆、えんどう豆、ほうれん草、レバー、アスパラガス、なばな、いちご、あまのり、
ほたてがい、鶏レバー、玉露、卵黄などに多く含まれています。


I鉄


赤血球の成分であるヘモグロビンをたんぱく質とともに構成し、各細胞に酸素を運ぶ
働きをし、成長促進や免疫力増強に関係し、病気やストレスへの抵抗力を高めます。
鉄の吸収率は10%前後とかなり低いので、吸収率の高い鉄分を選んだり、吸収を高める
工夫が重要になります。ビタミンCやたんぱく質は、鉄と一緒に摂ると吸収が高まります。
月経のある女性や妊婦さんに鉄欠乏性の貧血が起こりやすく注意が必要です。
鉄が不足すると、朝起きるのが辛い、顔色が悪い、息切れがする、貧血、
疲れやすく怒りっぽくなる、注意力がなくなる、めまいなどが起こることがあります。


豚レバー、ほしひじき、しじみ、レバー、ゆば、ほうれん草、切り干し大根、のり、大豆、
などに多く含まれています。


J食物繊維


食物繊維は、人の消化酵素で消化されない食物中の成分の総称です。
腸内の発がん物質など有害物質を排泄してくれるので、腸内がきれいになり、
善玉菌が増え自然治癒力を高めます。水分を含むと膨らんで腸内容物の体積を増加させ、
腸内粘膜を刺激し便通を促進し、便秘予防に役立ちます。
動脈硬化症、大腸がんなどの予防、肥満や糖尿病の予防にも役立ちます。
ビタミン・鉄・カルシウムを吸着する性質もあるため、摂り過ぎると栄養素も一緒に
排出してしまいますので注意してください。


にんじん、れんこん、ごぼう、切干大根、いも、いんげん豆、小豆、大豆、納豆、おから、
きな粉、干ししいたけ、きくらげ、こんぶ、わかめ、寒天、ひじき、干し柿などに
多く含まれています。


K妊娠中に摂りたいその他のミネラル


鉄の吸収を助け、糖の代謝に必要な銅。
神経の鎮静や炭水化物の消化吸収に役立つマグネシウム。
塩分を体外に排泄するのを手助けするカリウム。
など、妊娠中はいろいろなミネラルをバランスよく摂取したいものです。
いろいろな食品を摂ることで、ミネラルを補うように心がけてください。


L塩分


塩分は塩だけでなく、しょうゆなどの調味料にも含まれています。
スナック菓子やインスタントラーメンには、想像以上に塩分が含まれていることが多く、
妊娠中は極力避けていただきたいと思います。
しょうゆや味噌などは、減塩タイプも販売されていますので、
それらを上手に活用するとよいでしょう。


調味料、食塩、スナック菓子、インスタントラーメンなどに多く含まれています。


M脂質


ビタミンAなどの脂溶性ビタミンの吸収を助ける役割をしていますが、
主な役割はエネルギー源で、少量でも高カロリーのため、
体重管理のためには、摂りすぎに注意が必要です。


脂身の多い肉、オリーブオイル、サラダ油などに多く含まれています。

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2006年12月21日 13:06